特定のソフトウェアを頻繁に使う方々の中には、以下のような経験をされた方も多いのではと思います。
最近まで正常に動作していた機能が突然、動かなくなった。
特定のツール使用時に、ソフトウェアが頻繁にクラッシュするようになった。
ダイアログボックスの形がおかしい。あるいは、その一部または全部が現れない。
これらの問題の解決方法の一つとして、初期設定ファイルの削除(再構築)というものがあります。
初期設定ファイルは、楽譜作成ソフトウェアに限らず、多くのソフトウェアにて、名称は違えど共通に存在するファイルですが、一般に以下の性質を持っています。
ユーザーが独自にカスタマイズした、環境設定に関する情報を記録する。(例:ショートカット、特定機能のON/OFF、数値設定など)
HDD直下ではなく、ユーザー階層に保存される。(Windows、Macで共通)
削除して改めてアプリケーションを起動すると、同じファイルがHDD内の同じ場所に自動的に再構築される。
これを削除すると、ユーザーが独自にカスタマイズした情報は当然ながら消失してしまいますが、それも含めてアプリケーション上で発生している問題を丸ごとリセットできるので、原因不明なトラブル発生時の初期対応としては有効な手段となり得ます。
私は楽譜作成ソフトウェアの他に動画編集ソフトウェアのAdove Premiere Proも頻繁に使うのですが、最近、異なる時期、異なるファイルにて、以下の二つの問題に遭遇したことがあります。
ユーザーインターフェース上で、再生ボタンが消えてしまった。
iPhoneで撮影した.MOVファイルを取り込めなくなってしまった。
いずれも最初は自分の設定の問題かと考え、インターネット上でいろいろ調べ、それぞれ1時間あまり格闘しましたが改善されず、もしやと思い初期設定ファイルを削除したら、いずれもあっけなく問題が解決しました。
▼おかしいなと思ったら(Mac OS 版 Premiere Pro)B. 環境設定フォルダーの再作成
ここから学んだ教訓は、何か変だと思った時点で初期設定ファイルの削除(再構築)を試しておけば、必ずしも存在するとは限らない解決策を探すのに無駄な時間と労力を費やす必要がないということです。
これを行うことでユーザー設定のいくつかはリセットされますが、ソフトウェアの使用に問題が発生することはありませんので、この方法は気軽に用いて良いかと思います。
(上記のPremiere Proの事例では、.MOVファイルを取り込めないトラブルが頻発した時期があり、1日に3回、これを行ったこともあります。その都度、自分で設定したショートカットの再設定が必要でした。)
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ご参考までに、初期設定ファイルの削除(再構築)を案内しているFAQページの事例を、いくつかの製品についてピックアップして下に掲載しておきます。
▼Finale:初期設定ファイルの削除(再構築)
▼【Dorico】Windows環境における「初期設定ファイルのリセット」方法は?
▼Studio Oneのリセット(設定の初期化)
▼Mac 用 Logic Pro が機能しない場合
▼Premiere Pro:おかしいなと思ったら(Mac OS 版 Premiere Pro)
B. 環境設定フォルダーの再作成
なお、ファイルを削除せずに、デスクトップ上など分かり易い場所にフォルダを作成してここに一時的に退避させることで、もし初期設定ファイルの削除(再構築)で問題が解決しなかった場合、必要に応じて削除前の状態に戻すこともできます。
FAQを見ると単に削除して下さいと書かれているものもありますが、もし何らかのカスタマイズを保存しておきたい場合は、削除せずに上記の方法で一時退避させ、それで問題が解決したら削除する、という方法を取ることをお勧めします。