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ビッグバンド譜や吹奏楽譜のコード記号にまつわる、Doricoらしい不可思議な挙動

1 日前
読了時間: 4分

更新日:6 時間前

最近の当社Doricoレッスンで、ちょっと面白いトラブル事例がありました。メロディ楽器にコード記号を入力しようとすると「リズム楽器に入力した複数のコード記号が一気に表示されてしまう」というものです。


メロディ楽器にコード記号を入力しようとすると「リズム楽器に入力した複数のコード記号が一気に表示されてしまう」
メロディ楽器にコード記号を入力しようとすると「リズム楽器に入力した複数のコード記号が一気に表示されてしまう」

Doricoでメロディ楽器にコード記号を入力する標準的な方法


Doricoでコード記号をリズムセクション以外の任意の楽器に入力する場合、(1)範囲を選択して「記譜メニュー>コード記号領域を作成」を行い、(2)設定モードで対象のプレーヤーを選択して右クリックで「コード記号>コード記号領域とスラッシュ領域に表示」に設定する、というのが標準的な方法となります。(この順番は逆でも構いません。)


※Finaleでは同じ拍に譜表ごとに異なるコード記号を入力できたので、例えばC7とC#7を同じ拍に置いて敢えてバッティングさせるということも自由にできましたが、Doricoでは楽曲全体でコード記号を管理するため、基本的なコード記号を1種類入力して、その表示/非表示を各プレーヤーで設定するという考えのようです。なお、Doricoではaltキーを押しながらenterキーを押すことで、Finaleのように特定の譜表に敢えて他と異なるコード記号を入力することも可能です。


直感的操作でコード記号を入力しようとした場合の挙動


上の譜例では、Trumpet in Bbの譜表にて、最初に2小節目・1拍目にCMaj7、次に3小節目・1拍目にAm7を入力しようとしています。


2小節目・1拍目のCMaj7の場合は、コード記号を入力しようとすると最初からその拍のリズムセクションに指定されていたコード記号であるCMaj7がポップオーバーに表示されていて、そのままリターンキーを押しても何も表示されない、という挙動になります。これは、Trumpet in Bbは初期設定で「設定モード>「コード記号」は「リズムセクションのインストゥルメントに表示」となっているためです。


それも少々分かり難いかも知れませんが、問題は3小節目・1拍目のように、前の小節からシンコペーションで繋がれているフレーズにコード記号を入力する場合です。


Doricoにおけるシンコペーションの扱いが、時として混乱をもたらす


Doricoではタイで繋いだ音符は1つと認識される仕様のため、シンコペーションで演奏されるこの音符の場合、3小節目・1拍目にAm7を入力しようとすると、実際にはノートの発音ポイントである2小節目・4拍目裏に新たにAm7を入力した形となります。


その結果、新たなコード記号を認識したDoricoがおそらくは「この楽器はコード記号が必要なプレーヤー」と判断し、その楽器のコード記号の表示設定を初期設定の「リズムセクションのインストゥルメントに表示」から「すべてのインストゥルメントに表示」に自動的に切り替え、結果として「コード記号を1個入力しただけで、リズムセクションのコード記号の全てが表示された」という、一見すると理解し難い挙動となります。


2小節目のようにシンコペーションがない場合は、コード記号を入力してリターンキーを押しても何も表示されない結果から、設定モードを調べて「コード記号領域とスラッシュ領域に表示」という項目があるのを発見し、そのように設定してみるという解決に至り易いかも知れません。


3小節目のようにシンコペーションが用いられている場合、Am7の入力後、よく見るとリズムセクションの譜表にも2小節目の4拍目裏に新たにAm7が表示されており、これに注目すれば何が起こったのか理解し、解決に至る可能性があります。


しかし実際は「リズム楽器に入力した複数のコード記号が一気に表示されてしまう」という一見不可解かつ派手な挙動の方に注意を奪われ、結果として「これはバグなのではないか」という間違った方向に思考を奪われることの方が多そうです。


Doricoの「癖」を理解する


この辺りはDoricoという製品の「癖」で、使い込んで身体で覚えなければならない部分なのかもしれません。


コード記号を伴うリズムセクションを従えたアンサンブルで、シンコペーションを用いたメロディを演奏するという条件下では、このような現象が発生し易いと考えられ、ジャンル的にはビッグバンドやジャズ/ポップス系吹奏楽の楽譜では特に要注意かと思います。

 
 

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