楽譜作成ソフトウェアでスクロール挙動がスムーズでなくなる問題
- tarokoike

- 3 日前
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先日、とあるFinaleユーザーの方と話をしている中で、Macのデスクトップとノートブックの両方においてFinaleでのスクロールの挙動がスムーズでなくなる問題があるというご相談を頂きました。
これはFinaleでの問題としては稀ではありましたが、Finaleが開発・販売されていた当時においても、有効な解決策がありませんでした。
私が思い出せる限りでは、2023年頃にmacOS13上のFinale 27にてこの症例が確認されたものの、未解決で終わってしまったと記憶しています。
元々、Finaleは描画機能に問題を抱えていた面があり、特にWindows版のFinaleは高解像度モニター上での使用で様々な問題がユーザーより報告されていました。
以前にFinale開発元のMakeMusic社に問い合わせた限りでは、例えば以下のようにソフトウェア上で描画に負担が掛からないであろう設定にすることで、これらの問題は改善できる可能性があるようです。
「環境設定>パレットと背景」にて楽譜の背景を初期設定の「グラフィック・ファイル」から「単色」に変える
フルスクリーン・モードを使用しない
楽譜を表示するウィンドウのサイズを小さくする
ページ表示ではなくスクロール表示を使ったり、ページ表示を使う場合でも「表示メニュー>表示方法」で「単一ページ」を使う
これらのうち最初の「グラフィック・ファイル」から「単色」に変える件については、楽譜画面を拡大すると分かりますが、Finaleの初期設定では楽譜の背景に様々な色彩情報を持つ「グラフィック・ファイル」が用いられており、これは楽譜画面のスクリーンショットを撮影した際にデータ・サイズが大きくなることの一因にもなっています。

また、Mac版については、もしApplicationフォルダ内のFinale.appアイコンを右クリックで「情報を見る」を選択してFinaleの情報ダイアログボックスを表示した際、そこに「低解像度で開く」というメニューがあれば、これにチェックを入れてFinaleを起動することで、動作が改善される可能性があるという話も聞きました。
これはお使いのmacOS環境によっては設定項目がない場合もあるようですが、基本的には以下の記事と同じ解決策なのではないかと思います。※
▼「低解像度で開く」で、Photoshopやイラレなどの動作を軽くしよう(外部ウェブサイト)
※プロセッサの種類やmacOSのバージョンによっては、この項目が表示されない場合があるようです。
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ご存知の通り、Finaleは2025年8月末には開発元MakeMusic社にてテクニカル・サポートが終了し、日本語版はテクニカル・サポートを含む全てのサポートが終了となりました。(そのあたりの事情は弊社ブログの別記事に詳述しています。)
しかしながら、その後いろいろな人に話を聞くと、諸事情により、今なおFinaleを使い続けている方も少なからずいらっしゃるようです。
〆切が近い仕事を大量に抱えている中では、操作を新たに学びながらDoricoやSibeliusを使うのは現実的ではありませんし、楽譜出版業界のように元々ワークフロー上の理由から敢えて旧バージョンのFinaleを使う習慣があった業界では、導入すらしていなかったFinale最終バージョンが開発・販売終了となっても実務上の影響は殆どないというユーザー様も多いかも知れません。
私個人としては既にDoricoに乗り換えてしまったので、もはやFinaleに関する記事を書くことはないと思っていましたが、今回取り上げたような描画に関する問題は他のグラフィック系ソフトウェアであるPhotoshopやIllustratorでも発生しているようですし、今後、DoricoやSibelius、MuseScoreなど他の楽譜作成ソフトウェアにおいても発生しないとは限りません。
なので、過去にFinaleテクニカル・サポートで培ったノウハウは今後も整理しつつ、将来役立ちそうなものについては、このように折を見て情報発信しようかなと思っているところです。

